LESSON 04

チーム向けワークフローを設計する

Skills、サブエージェント、Hooks、MCPを必要最小限で組み合わせ、評価・承認・停止を含む導入提案を作ります。

上級レッスン日本語目安:45分更新:2026年10月18日公式仕様:2026-10-18Claude Code総合課題ワークフロー設計チーム運用

課題:変更前チェックを再現可能にする

チームで繰り返している「プルリクエストを出す前の確認」を題材に、導入提案を作ります。ゴールは機能をできるだけ多く使うことではありません。手作業の問題を特定し、必要なものだけを選び、失敗したら安全に手動へ戻せる設計にします。

この演習では実プロジェクトの設定を変更したり、実サービスへ接続したりしません。架空のリポジトリとデータを使い、導入前の設計書を完成させます。

1. 現状と課題を記録する

まず、現在の手順を箇条書きにして、担当者が判断している箇所、繰り返し抜ける確認、時間のかかる調査を分けます。少なくとも通常の変更と、失敗・例外を含むケースを一つずつ想定します。

項目 記録すること
作業の開始条件 誰が、どの時点で確認を始めるか
入力 変更差分、テスト結果、プロジェクト規約など
現在の手順 人が行う確認と判断
困っている点 時間、ばらつき、見落とし、やり直し
基準値 完了時間、確認時間、失敗や見落としの実測値

実測できていない数字は推定値として分け、導入効果の根拠に混ぜないでください。

2. 各機能を採用するか判断する

次の表を埋めます。採用しない機能にも理由を書き、目的のない仕組みの追加を避けます。

機能 今回の候補 判断の例
プロジェクト指示 共有すべき検証コマンドと既知の規約 常に必要な短い事実だけを記載する
Skill 変更前チェックの手順と報告形式 手順が安定してから再利用可能な形にする
サブエージェント 差分から関連テストを探す調査 独立して返せる読み取り専用の作業に限る
Hook 決定的なローカル検証 起動条件、入力、副作用、失敗時動作が明確な場合のみ
MCP 課題管理の情報を参照する必要性 必要な情報がローカルにないと確認できるまでは接続しない

複数の機能を選ぶ場合は、役割の重複と、機能間で受け渡す情報を説明します。たとえば、手順の説明だけならSkillで足り、イベントに応じた決定的なコマンド実行まで必要な場合にのみHookを別途検討します。

3. データと権限の境界を図にする

文章または図で、次の流れを記録します。

開始条件 → 入力データ → 読み取り・処理 → 人の確認 → 出力先

各段階について、実行主体、読み書きできる対象、外部送信の有無を記載します。課題本文やコードコメントなど外部から入る文字列は、指示ではなく未信頼データとして扱います。最初のPoCではテスト用データと読み取り専用の範囲を優先し、書き込みや公開操作は自動化の対象にしません。

確認項目 設計書に残す内容
データ 入力、保存先、外部へ送る可能性のある情報
権限 必要な読み取り範囲と、不要な書き込み権限
承認 人が内容・対象・結果を確認する地点
失敗時 タイムアウト、異常終了、誤検知時の動作
運用 担当者、ログの扱い、無効化と手動復帰の方法

秘密情報を演習用ファイル、プロンプト、ログに貼り付けないでください。認証情報が必要な構成は、チームの承認済みの保管方法と運用規則を別途確認します。

4. PoCの評価条件を作る

導入前に、通常ケースと失敗ケースの両方で確認する項目を定めます。最低限、出力が正しいこと、禁止した書き込みが起きないこと、異常時に処理を止めて人へ報告することを評価します。速度や利用量は、レビューにかかった時間も含めて既存の手順と比較します。

PoCの合格・中止条件は「便利そう」といった印象ではなく、観察できる結果で書きます。安全や品質の条件を満たさない場合は、速度が向上していても合格にしません。

提出する設計書

次の見出しを使い、1〜2ページ程度の提案を作ります。

  1. 目的と対象外: 解決する反復作業と、自動化しない操作
  2. 現状の基準値: 作業時間、確認時間、品質、例外
  3. 選んだ仕組み: 各機能の目的と、採用しない機能の理由
  4. 処理とデータの流れ: 開始条件から出力までの流れと権限
  5. 承認と安全策: 人の確認点、秘密情報、外部接続の扱い
  6. PoCの評価: 通常・失敗ケース、合格条件、中止条件
  7. 運用と復旧: 担当者、ログ、無効化、手動手順への戻し方

完了条件

  • 課題と基準値を、推定と実測を区別して記録した
  • 各機能を使う理由、または使わない理由を説明できる
  • データ、権限、承認点、外部接続の有無を明記した
  • 通常ケースと失敗ケースで確認するPoC条件がある
  • 担当者、停止条件、手動復帰の手順を定めた
  • 実環境へ導入する前に、関係者レビューと公式ドキュメントの再確認が必要な点を列挙した

参考資料

公式ドキュメントの参照先を2026年10月18日に確認しました。実際の設定、権限、利用可能な機能は導入時点の公式資料とチームの運用ポリシーで確認してください。